やりたくない事は、そんなに無理して頑張ってやらなくてもいい - ぱりことば。−島根県の漫画家カウンセラーのブログ−

「本当はやりたくない」気持ちを
押し込めて無理して頑張って、
体が動かなくなったり、
心を病んでしまう人たちを
非常によく見ます。

実は「やりたくない事」を
無理してやらなくても
世界は回っていくし、
何なら「やらない」方が
幸福になったりするんですよね。

＊　＊　＊

そもそも多くの人は、
「本当はやりたくない」事を
なぜ無理して頑張って
やってしまうのでしょうか。

ひとつ原因として挙げられるのは
「責任感」です。

できるのは自分しかいない。
自分がやらなきゃ誰がやるんだ、
という気持ち。

「これをできる私が
ちゃんとやらないと、
世の中が、会社が、
回らなくなるじゃない、
だから頑張るの」という責任感。

または
「だって頑張らないと
収入がなくなって
生きていけなくなるじゃない」
という責任感で、
やりたくもない仕事を
嫌々やっている人も沢山います。

責任感が強いのは、
すばらしいことです。

ただし、それが
「無価値感の罠」
であることもしばしばです。

「みんなが嫌がる仕事を
やらない私は
価値がないと思われてしまう」

「お金がない私は
価値がないと思われてしまう」

「一人で生活費を稼げない私は
欠落したダメ人間で
価値がないと思われてしまう」

……のような。

「みんなに愛してもらう」代償に、
「本当はやりたくもない
嫌な事を無理にやる」のですね。

果たして本当にそうなのでしょうか？
「それ」をやらないあなたを、
本当に誰も愛してくれなく
なるのでしょうか？

もしくは、
「それ」をやめただけで
あなたを無価値扱いしたり
愛さなくなるその人は、
本当にあなたにとって
大事な人なのでしょうか？

＊　＊　＊

世界は意外とバランスよく
できているもので、
あなたが本当は全然
やりたくもない嫌な仕事を
「喜んでー！」といって
やりたい人もいます。

ただ、自分の目が全ての人は
それに気づけません。

自分がやりたい事は
周囲の人も全員やりたいと
思っているし、

自分がやりたくない事は
周囲の人も全員やりたくないに
決まっている、と思っています。

体が動かなくなるほど
無理して過労になってしまう人や、
心を病んでしまう人は、
基本的に視野がどんどん狭くなります。

だから
「私がやりたくない事」を
喜んでやりたい人や、
苦もなくやる人の存在に
まったく気づけないのです。

あるいは、
「自分と似たタイプの人」ばかり
目に入れているので、

「あの人に私の仕事を
任せようとしたら、
露骨に嫌な顔をした。
ほーらね、やっぱりみんな
こんな仕事やりたくないんだ」

と思ったりもします。

＊　＊　＊

私もかつて、
「私がやりたい事は
みんながやりたいし、
私がやりたくない事は
みんなやりたくない」
と思い込んでいました。

だから、やりたくもない事を
必死で無理して頑張って
やっていたのです。

でも30年以上も生きているうちに、
少しずつ気づいてきました。

たとえば「絵を描くこと」。
私は自分の好きな絵なら
何時間でも費やして描けますが、
「ぜったい無理。集中力が続かない。
絵なんて描きたくもない」
という人が存在します。

同じ絵描きの中でも、
「自分と違うものが得意な人」
が存在します。

「人間は苦手。メカが得意」
「背景を描くのがすごく楽しい」
「ギャク漫画はいくらでも描ける。
深刻なストーリーは
逆立ちしても描けない」
みたいな感じで……。

自分が
「本当にやりたくない事」を
排除していっても、
それを得意とする人たちが
やってくれるのです。

「私が自分でやらなければ」
と思っていた事をやめても、
意外と世界は回ります。

といっても、これは
それを「信じる」ことができないと
恩恵を受けられません。

「そんなの絶対に嘘。
だって現実に、私がこれを
やらなくなったら、
うちの中は無茶苦茶になるんだから」

と言っている人は、
その通りに無茶苦茶になります。

なぜならそういう人は、
他人を頼らないからです。
あるいは、
頼る相手を間違えています。
頼りにならない人ばかりに
お願いして、
「やっぱり自分が全部やらないと
解決しないじゃない！」
と一人でプリプリ怒っている。

または、頼み方がまずくて、
相手がちゃんと遂行できないような
わかりにくい指示を出している場合も。
で、またプリプリ怒っている。

私もそうでしたけどね(笑)。

重要なのは、
「私がやりたくない事を
全部投げ出しても、
人生はうまくいくし、
世界はきちんと回る」
ことを信じることです。

ごきげんよう、さようなら。