お客様を大事にすることと、お客様に振り回されることは全然違うよ - ぱりことば。−島根県の漫画家カウンセラーのブログ−

わたしのようなフリーランスや
個人事業主・起業家さんだけでなく、
会社勤めの方でも「お客様」と
接する方は多いですよね。

「お客様を大事にする」つもりで
「振り回されて」いませんか？

＊　＊　＊

三波春夫さんの「お客様は神様です」
を勘違いした自称・お客様が
大変増殖している現代ですが、
みなさまいかがお過ごしですか。

本当の意味をここで書くのは無粋なので、
詳しくはこちらのサイトでご確認ください。
　↓
「お客様は神様です」について｜三波春夫オフィシャルサイト

まあ色々なタイプの
「お客様は神様」カスタマーが
いらっしゃいますが、
全部ひっくるめると結局は

“自己都合をぶつけて、
店員/従業員
(あるいはオーナー)を
振り回す”

って所に行き着くんじゃ
ないでしょうか。

＊　＊　＊

わたしは最近、お客様の都合よりも
自分の都合を優先して
業務をすすめています。

しかし、以前は
自分を犠牲にしてでも
お客様の都合に合わせようと
思っていた頑張り屋さんでした。

それが「お客様を大事にすること」
だと思っていたからです。

好きなタイプのお客さんも、
苦手なタイプのお客さんも、
みなさん平等に対応することが
「お客様を大事にすること」だと。

今ははっきり
「それは違うな」と言えます。

＊　＊　＊

まあ、従業員が沢山いる
店舗とか会社だと
また違うのかと思いますが、

わたしのような
おひとりさまフリーランス
(個人事業主)は、
わたしが倒れると
事業が終了するわけです。

で、「お客様に振り回される」と
何を真っ先に害するかというと、
わたしの健康です。
体の健康もそうですし、
心の健康もそうですね。

わたしは「困ったお客さん」の
都合に合わせて
振り回されまくった挙句、
いろいろな事業を終了してきました。

体が限界だったのもありましたが、
「あの人(たち)が関わってくるなら、
もうやりたくない」
と思ったからです。

もちろん良いお客さんも沢山いたのに、
わたしは
「良いお客さんと引き続き関わること」
よりも
「困ったお客さんに関わらなくて済むこと」
を選んだのでした。

＊　＊　＊

しかし今思うんですけどね、
困ったお客さんのために
自分の事業を終了したらダメですよ。

わたしが困るタイプのお客さんは、
自分の都合ばかり押し付けて
「お金を払ってるんだから
(または、何回も注文してるから)
このくらいのワガママを
きいてくれてもいいじゃないか」
と横柄になる人です。

お金っていうのは
その商品やサービスそのものの
対価として払うもので、
「他の人よりも優遇してもらうため」
「提供しているサービス以上の
サービスを受けるため」
に払うもんじゃないんですよね。

もちろん、何回も購入してくれる
すごく感じのいいお客さんを
店・オーナー側が
「ご贔屓さん」として
扱うことはあるでしょう。

しかしそれはその人が
礼儀正しいから
特別扱いするんであって、
(そうじゃない店やオーナーもいるけど)
横柄な人は何万円払っても
嫌いですよ。わたしはね。
あ、嫌いって言っちゃった。

とはいえ、もちろん
「なんか好きになれないから」
という理由で
こちらも突っぱねたりはしません。

なんか嫌いだけどまあいいか、
という感じで仕事をすることはあります。
逆に、好きな感じの人だけど
あえて距離を置くこともありますしね。

大事なのは「好き嫌い」よりも
「お客様に振り回されないこと」なので。

＊　＊　＊

お客様に振り回されたオーナーが
「もうやめたい」となって
事業を終了した場合、
困るのはお客様です。

お客様が一番困るのは、
その店がなくなること、
その人が提供している
そのサービスが
受けられなくなることなので。

だから
「お客様の都合に振り回される」のは
「お客様を大事にしている」こととは
ぜんぜん違うんです。

お客様を大事にしている人というのは、
そのお店やサービスを
ずっと続けていられる人のことです。

自分の事業を守るために、
時にはお客様の「自己都合」を
断固として拒否する。

たった一人や数人の
ワガママのために、
自分の事業を終了させない。

ほかのたくさんのお客様、
そのお店やサービスやオーナーを
本当に愛してくれるお客様のために、
事業を続ける。
それが「お客様を大事にする」
ことだとわたしは考えています。

これは雇われの方でも同じで、
たとえばあなたが
ある一人のクレーマーや
モンスターカスタマーに
振り回されて心を病んで、
その職場を退職するとしましょう。

その人以外の、ひそかにあなたという
店員(従業員)が好きだった
沢山のお客様はすごく悲しみます。
(何ならモンスターの方も
めっちゃ好きでいじってる事があるので、
その人もけっこう悲しんだりします。
知るかよと思いますけどね)

まあ、雇われている方の場合は
「上司が守れよ」っていう
パターンも多々あるのですが……。
現場で働いている人が
「お客様の都合に振り回されない」
でいることも大事なんじゃないかな、
とも思いました。

社長やオーナーや店長のお気に入りが
モンスターカスタマーの場合は
さっさと逃げてもいいと思います。

ちなみに今回の話は
個人の見解というか
わたしが事業を続けていく上で
大事にしていることなので、

「いいえ、私はどんなお客様の
都合にも応えてみせる！」
「それが“デキる人間”ってものだ！」

と思う方は、勝手にしてください。
わたしの人生じゃないので、
そういう人がどう生きようが
わたしの知ったこっちゃないんですね。

わたしはお客様の都合に
振り回されていると
心身を病むので、やりませーん。
ごきげんよう、さようなら。