メンヘラにハマる人もまたメンヘラなのだ【漫画】 - ぱりことば。−島根県の漫画家カウンセラーのブログ−

「相手がメンヘラで困ってる」
と相談する人自身が、
心に問題を抱えているのを
何度も見てきました。

逆に「私、精神病かもしれない」
と言う人の相手(パートナー)が
心に問題を抱えているのも
よく見ます。

なので「同じ穴のムジナ」
という話を描きたくなりました。

そもそも「メンヘラ」っていう
呼称自体が差別的だ！
「メンヘラ」って言い方が嫌い！
というご意見も
よく見るんですけど、

それをわかった上で、
あえて「メンヘラ」
という単語を使用しました。

相手を「メンヘラ」などと
言って蔑んだり、
まるで自分が
「上の人間」であるかのように
振舞っている人は、
けっきょく同族ですよ、
という皮肉もこめています。

あ、念のため、
「同じ穴の狢(ムジナ)」の
意味も置いておきます。

【同じ穴の狢】
一見関係がないようでも実は同類・仲間であることのたとえ。多くは悪事を働く者についていう。同じ穴の狸 (たぬき) （狐 (きつね) ）。
「同じ穴の狢」｜goo国語辞書

別に情緒不安定であることを
「悪事」とは言わないけど、
自分がメンヘラであることを
利用して傍若無人に
振る舞う人もいるし、
相手がメンヘラであることを
利用して傍若無人に
振る舞う人もいるし、
まあなんていうか、
どっちもどっちなんですよね。

後者に関しては、
傍若無人に振る舞うなら
わかりやすくてまあいい方で、
「相手を助けてやっている」
「相手を支えてやっている」
「相手を多めに見てやっている」
が“見下しの一種”だと
気づいていない人もいますから。

「してやっている」
「してあげている」って、
上の者が下の者に対して
使う言葉ですよ。

＊　＊　＊

で、Twitterでも書いたんですけど、
この漫画はどちらかというと
「相手がメンヘラだと言って
困っている人」
に向かって描いた漫画じゃ
ないんですよね。

何でこの漫画描いたかっていうと、無意識のうちに「情緒不安定なパートナーを下に見ている」人が非常に多いな、と思ったのと、「メンヘラの自分は彼(彼女)より下だ」と思っている人が非常に多いな、と思ったから。
どちらかというとメンヘラ側の人に「あなたは下じゃないよ」と伝えたかった
— 巴(ともえ)@イラストライター＆カウンセラー (@palicosp) June 12, 2020

「自分は病んでいる」
と悩んでいる人に対して、
「あなたの隣にいる
“無意識に上に立っている人”も
あなたと同じだよ、
心に問題を抱えてるんだよ、
『自分の方が下だ』なんて
思わなくていいよ」
というのを伝えたかったんです。

何でかって、
この漫画を読んで
「うわ〜！　自分、
知らない内に相手を
見下してたかも！」
と思える人はまだ大丈夫だし、
多分うちの読者のほとんどは
そんな人たちだと思うからです。

やばいのは
「絶対に見下してなんかいない」
「絶対に自分の方がまとも」
と思っている人。
そういう人は聞きませんからね。

話を聞かない人に
訴えかけても時間の無駄なので、
話を聞いてくれそうな人に向けて
発信したつもりです。

ごきげんよう、さようなら。