先週(10月27日)、
奥出雲おろちループへ
行ってきました。
この時期は紅葉を目当てに
行く方が多いのですが、わたしは
“アーティスト・デート目的”で
「鉄の彫刻美術館」が
気になっていたからです。
→アーティスト・デートって何?
という方はこちらをご覧ください
なんとこの美術館、
入場無料なんですよね。
おろちループには何度か
足を運んでいたのですが、
ここが入場無料なのは
最近になって知りました。
奥出雲鉄の彫刻美術館には
鉄製のモニュメント彫刻で世界的に有名な
故・下田治氏の作品が展示されています。
わたしはてっきり
奥出雲町出身とか
奥出雲に何かゆかりのある方だと
思っていたのですが…
奥出雲町=たたら製鉄で有名=鉄
下田治氏=鋼鉄モニュメントで有名=鉄
という“鉄”つながりで、
奥出雲町に美術館を
作らせてください、と
下田治氏の奥様にお願いしたそうです。
縁もゆかりも
ないんかーーーーーい(゜Д゜)
と思いましたが、
「縁もゆかりもなければ
記念館や美術館を
作ってはいけない」という
“思い込み”をぶち壊す、
というところが
すでにアーティスティックですよね。
下田治氏は鋼鉄モニュメントで
有名な方だそうですが、
鋼鉄に移行する前の「絵画」作品や
こういった「鉄を使用しない」
モニュメントも展示されていました。
ちなみにわたしはトップに貼った
「ダイナモ」という作品と、
この「白い構成」という作品と、
あと次にご紹介する
「無限に伸びる」という作品が好きです。
この「無限に伸びる」が好きな理由は、
わたしが好きな「真っ赤」で
塗られているから、というのも
あるのですが、それよりも
好きなのはこの作品にまつわる
エピソードです。
展示作品の横に貼ってあるボードに
書いてあったのですが、
こちらに展示されているのは
「習作」として作られたもので、
さらに大きな「無限に伸びる」が
ニューヨークのリヴァーメント・
ショッピングセンターに
設置されていたそうです。
しかし作品の重みで
リフトのチェーンが切れ、
爆音を立てて落下。
「あわや死者が出かねない惨事」
と書いてあったので、
おそらく死者は出なかったのでしょうが、
そんな大事故を起こしておいて
モニュメント制作をやめない、どころか
その事故から下田治氏の
「モニュメンタリスト」としての
キャリアが始まる、というところが
最高だな、と思いました。
わたしだったらそんな事故起こしたら
もう作品制作も発表も
できなくなるかもしれない。すごい。
館内に展示されているものは
全体的にミニマムなのですが、
美術館の周囲に巨大モニュメントが
いくつか展示されています。
たぶんこの方の作品は
巨大かつ屋外設置のほうが
魅力が出る気がする。
などとわかったようなことを
言っていますが、
わたしははっきり言って
抽象芸術とか彫刻とかに
あまり興味がありませんでした。
けれど最近、
「人目を気にして
作品を創ることの無意味さ」や
「大衆に受ける創作を
しようとすることの無意味さ」を
感じていたので、
下田治氏の作品群を見て
パワーをもらったような気になりました。
果たしてご本人が
どんな想いでこれらの作品を
制作していたかは
わかりませんが、
見ているわたしとしては
「あ、別に大勢に
理解されなくてもいいし、
たとえ一部の人しか
わたしの作品を
好きにならなくても
創っていいんだな」
と思うことができました。
ありがとうございます。
美術館の横に展望台(?)
みたいなのがあったので
登ってきました。
美術館の窓際にもチラチラいたけど、
この時期はカメムシがいっぱいいますね…。
多分この連休で紅葉を見に
おろちループへ行った方も
多いかと思いますが、
なんとなく来週末が
紅葉最高潮という感じがしますね。
(今年は気温が高かったので、
11月3日頃から徐々に
紅葉が始まったらしい)
今週末行かれる方は、
あわせて鉄の彫刻美術館も
まわって見られてはいかがでしょうか。
奥出雲鉄の彫刻美術館
営業時間/10:00〜16:00(12月中旬〜3月中旬以外)
休業日/年末年始・ 冬期閉館(12月中旬〜3月中旬)
入館料/無料
→奥出雲町公式観光ガイド|鉄の彫刻美術館
よけいなお世話でしょうけど、
もっと入館料無料を
アピールしたらいいのに…。
前に来た時は
「どうせ入場料いるんだろうな〜」
と思って近づきもしませんでしたので…。
* * *
ところでわたし、
行きは車で連れてってもらったんですけど
帰りは電車に乗りたかったので
おろちループの道の駅から
歩いて三井野原駅へ向かいました。
初めて歩いたので
初めて知ったんですけど、
橋の横にこういう
おろち的な紋様が描かれてるんですね。
みんな車で通るから絶対気づかない!!
あと、紋様の中に穴が開けてあって、
そこから下の景色がのぞけるように
なっていました。怖い!!
(高所恐怖症)
三井野原駅へ向かう途中にあった
稚児ヶ池トンネルです。名前が怖い。
やはりトンネルにも
おろちっぽい何かの模様がありますね。
三井野原駅のホームです。
当然ですが無人駅です。
わたし、奥出雲に引っ越してから
木次線の電車に乗る機会が
増えたんですけど、
1時間に1本すら電車がないし、
マジで不便です。
だけど、日々あくせく動くのに
疲れた時は、
木次線にぼーっと乗るのも
いいものですよ。
あと、木次線のホームの感じは
全体的に好きです。
ミラーに「写真を撮ってるわたし」が
写り込んでるけど
気にしないでください。
そういえば帰りの電車で
乗客の方がめちゃくちゃ
写真を撮ってたんですけど、
もしかしたら木次線の役割は
「単なる移動手段」だけではなく、
「撮影のために乗る人」も多いのかな、
と思いました。
あ、あと有名なスイッチバックを
多分初めて体験しました。
ああいう感じになるんですね〜。
「アーティスト・デート」は
普段見ているものや
普段の生活から離れて、
“凝り固まった頭を解きほぐす”
ためにもある、と思っています。
普段たびたび見るものでもない
鋼鉄モニュメント彫刻を見て、
頭をやわらかくしたり
(鋼鉄なのにやわらかくなる、
というところが面白いですね)
ふだん車や満員電車に乗って
せわしなく動いて疲弊している方は
木次線に乗って心を休めたり
してみてはいかがでしょうか。
ごきげんよう、さようなら。
* * *
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