自分の持っているものは、すべて才能と呼んでいい — わたしの「境界性人格障害」は才能のひとつだった

けっきょく途中で書くのを
やめてしまったんですけど、
以前、
「わたしが境界性パーソナリティ
障害でよかったこと」
っていう記事を
書こうとしていたんですよ。

「え！？　精神病で
いいことなんか
ひとつもないでしょ！」

「精神病さえなくなれば、
全部うまくいくって
思ってるのに！」

と思う方も
いらっしゃるかも知れません。

わたしは、
自分の持っているものは
すべて「才能」と呼んでもいい、
と思っているんですよね。

＊　＊　＊

境界性パーソナリティ障害って、
いわゆる「うつ病」のように
薬を飲んで治るものじゃなくって、
「強く出すぎた性格の傾向」
だとわたしは考えています。

だから、「完治」じゃなくて
「寛解(かんかい)
＝症状が穏やかになる」
状態にしかもっていけないんですよ。

つまり、病気が治っても
「ある程度、傾向は残る」
ということなんですね。

ここの説明が難しいんですけど、
「もともとの性格が悪い」
ということではないです。

そもそも人間って、
「完璧な聖人君子」
とかいないでしょ？

会社で真面目に誠実にやってる人が
家で家族をぶん殴ったりする訳だし。

まあそこまでいかなくても、
みんな「長所」と「短所」を
必ず兼ね備えて持っています。

で、「長所」と「短所」って
単純に
「判定する人の主観」
で決まってるだけなんですよ。

たとえば、行動がすばやい人。
ある人にとっては
「あの子、言ったらすぐ
動いてくれて助かるんだよ」
という“長所”になるけど、
またある人にとっては
「あなたといると
せかせかしていなくて、
落ち着けないわ」
と“短所”になることもあります。

世界中の誰が見ても
「絶対に短所」と
判定されるものってないんです。
みんな、自分の主観で
「長所」とか「短所」とか
決めているだけなので。

＊　＊　＊

さて、そこでわたしの
「境界性パーソナリティ障害」
の場合。

この精神障害の一番の特徴って、
「怒りをコントロールできないこと」
だと思うのですが、
これ、うまく使えば長所になるわけです。

境界性パーソナリティ障害の人は、
親とか恋人(パートナー)に
ブチ切れかますのが定番なんですが、

人によっては、
「親が怖くて意見できない」
「恋人に本音が言えない」
人もいますでしょ？

つまり、
「意見を言いづらい人にでも
ちゃんと自分の意見が言える」
ってことなんですね。

病気の症状がひどい時は
「怒り」を使わないと
それができないんですが、
治療によってその部分を和らげると、

残っているのは
「どんな相手にでも
しっかり自分の意見が言える」
という傾向だけなんです。

これはわたし、
フリーランスをやる上で
かなり重宝しております。

たとえば、
期日通りに入金がなかったら
すぐ連絡できますしね。笑

＊　＊　＊

他にも、境界性パーソナリティ
障害の症状のなかで
「鋭く出すぎている傾向」
を和らげた結果、
役に立っていることが
いくつもあります。

つまり、わたしが
短所だと思っていたもの、
わたしが「劣等性」だと
思っていたものは、
実はすべて
「才能のひとつ」だったのです。

もちろん、
自分をないがしろにして
疲れてしまった時とか、
相性の悪い相手に
出会ったりした時は、
また「短所」になってしまう
こともありますよ。

ただ、「長所」と「短所」は
あくまで主観の話なので、
けっきょく
「どちらにでも転がれる
“才能”」なのです。

それを自分が
うまく使えるようになれるか
どうかっすね。

あなたがそれを
短所や欠点だと思っていれば、
ずっとそのままです。

ごきげんよう、さようなら。
　