境界性パーソナリティ障害の「試し行動」を止める対応とは?

境界性パーソナリティ障害の女性をなだめる猫のイラスト

愛され続けていたくて
見捨てられないかいつも不安、
そんな境界性パーソナリティ障害が
起こす過激な「試し行動」。

前回の記事では
「試し行動を起こす心理」
について解説しました。

こちらの記事では
「周囲がどういう対応をすれば
試し行動を止められるか」
について解説していきます。

前回の記事を読みたい方は
こちらからどうぞ。
境界性パーソナリティ障害の彼女は「試し行動」をする

ちなみにこれを書いている人は
“元・当事者”です。
現在は寛解(※)しました。
※症状が穏やかになること

そもそもなぜ「試し行動」をやめない?

自分に自信がないからです。
(ズバーン!)

自分が永遠に愛してもらえるような
価値のある人間だと思えないし、
いつも見捨てられる
おそれがあるので、ずっと
「まだ好き?」
「まだ愛してる?」
って試します。

「いやいやいやお前、
そんなんしてるから
見捨てられるんやで!」
と冷静に考えたら
思えるんですけどね。

そんな冷静な判断ができたら
精神障害になんてなるだろうか?
いや、ならない。(反語)

「試し行動」を悪化させるNG対応

試し行動を止めるための
OK対応の前に、まずは
NG対応から参りましょう。
あなたの今の行動、
当てはまっていませんか?

キレ返す、叱る

感情的な対応をすると
本人もよけい感情的になります。
難しいとは思いますが、
あくまで冷静に。

無視

見捨てられるのが
死ぬほど嫌なので、
悪化します。

要求にすべて応える

「過激な試し行動」を
しているおかげで、
相手は自分の言うことを
聞いてくれるんだな、と
無意識に判断します。

結果、「試し行動」が
やめられなくなります。
(要するに悪化)

「試し行動」を徐々に減らすための対応

当事者だったら
「自信を持つ」が一番ですが、
(わたしの場合はカウンセリングで
そういうワークをやってもらいます)

周囲の人の対応だったら
以下のような感じですね。

自分の感情を冷静に伝える

「その行動をされるのは
すごく嫌だ」と冷静に伝えます。

ここで注意するのは
「やめろ」と否定するのではなく、
「私は嫌だ」とか「悲しい」とか
あくまで自分の感情を伝えること。

「やめろ」って言うと余計やるので。

「大切に想っている」ことを伝える

自分の感情を伝える時には、
必ずあわせて
「あなたのことは大事に想っている」
「あなたのことは本当に好きだ」

というようなことをしっかり伝えます。

ただ「嫌だ」とか
「悲しい」だけ伝えると
「嫌われた! もうだめだ!!」
と思ってパニックになるので。

すべての要求に応えない

NG行動に書きましたが、
試し行動をしながら
その人が何か要求してきた場合、
すべての要求に応えていると
症状が悪化します。

あまりにも無理なことを
言っている時は、
「申し訳ないけど、
その要求には応えられない」
「でもそれは、
あなたが嫌いだからとか、
どうでもいいからではない」

とはっきり伝えてください。

(応えられそうな小さい要求なら
叶えてあげてもいいと思いますよ。
「ハグして〜」とか)

「ここまではできる。
でもここからは無理」
というのを冷静に説明する
必要があります。

最初は不満げだったり
怒ったりすると思いますが、
症状が和らいでくると
だんだん逆上したり
しなくなりますよ。

ボディタッチで混乱をおさえる

もう子どもと変わらんやないか
という感じですが、
なんだかんだ言って
ボディタッチは有効です。

抱きしめてあげたり、
手を握ってあげたりしながら、
相手の話を聞いたり
自分の意見を言ったりしてください。

混乱している時に
性的なボディタッチは
やめてくださいね。
「体しか興味ないんだ」
「しょせんその程度の価値なんだ」
って思っちゃうので。

パッと思いつくのはこんな所です。

とはいえ、それをやったら
その日からすぐ
「ハイ、試し行動
やめました〜!」
ってなる訳じゃないので、
根気強さも必要になりますね。

周囲の協力で、寛解がグッと近くなる

周囲の人がちゃんと
対応したからといって、
境界性パーソナリティ障害が
治るわけではありません。

寛解するには、どうしても
「本人の治そうという意思」
が必要になります。
それがないのなら、
多少は暴れる回数が減っても、
基本的に心はつらいままです。

ただ、もし当事者さんが
「病気を治そう」
「もう治したい」
と思っている場合は、
周囲の協力によって
寛解がグッと近くなります。

そういう当事者さんに対しては、
「本人も病気と闘ってるんだな」
「こっちもつらいけど、
本人もつらいんだ」
と思ってあげてください。

がんばって対応し続けて
もう疲れてしまった時や、
どうにもならん時は、
当カウンセリングへどうぞ。

当事者さんからのご相談も、
治そうと頑張るご本人を
支える方からのご相談も
承っております。

※現在、「当事者さん本人と
連絡が取れなくなっている」
方からのご相談をお受けするのは
中止しております。ご了承ください。

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みなさんの日々が少しでも早く
おだやかになりますように。
ごきげんよう、さようなら。

* * *

※わたしはカウンセラーをしておりますが
精神科医ではありません。

この記事は自身の経験と、
境界性パーソナリティ障害関連の
文献を読んで得た一般的な
知識をもとに構成しています。
すべての当事者さんに当てはまらない
可能性もありますので、ご注意ください。

境界性パーソナリティ障害について書いた有料note

●当事者の思い&周囲の対応ポイントをまとめた記事
(初期の記事なんでまとまってないけど安いです)

境界性パーソナリティ障害と過ごした半生と、自己治療&周囲の対応ポイント【前編・10歳〜24歳までの話】|巴|note

わたしは10歳から34歳までの24年間、境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)という精神障害でした。(英名:Borderline personality disorder/略称BPD、ボーダー、境界例) 「でした」というのは、もう寛解(かんかい・症状がおだやかになること)して、その症状がほとんど出てこなくなったからです。 わたしは投薬・通院をやめ、周囲の力を借りながらの自己治療で現在の状況まで持って行きました。 わたしが最後に受診した心療内科の先生曰く、この精神障害に「完治」はないそうです。なので、たまに少しそれっぽい傾向は出てきます。 しかし、一番ひどかった時のようにはもう

境界性パーソナリティ障害と過ごした半生と、自己治療(寛解)&周囲の対応ポイント【後編・25歳〜36歳現在の話】|巴|note

わたしは10歳から34歳までの24年間、境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)という精神障害でした。(英名:Borderline personality disorder/略称BPD、ボーダー、境界例) 「でした」というのは、心理学と自分の病について学び、対処法を研究・実践し、現在その症状が99%出なくなっているからです。 専門用語でいうと寛解(かんかい/症状が和らぐという意味)ですね。 現在は資格を取り、イラストライター兼心理カウンセラーとして仕事をしています。カウンセラー業を始めてから、この精神障害に苦しむ当事者さんやそのパートナーさんからご相談を多数いただくようになりま

●周囲の対応についてのみ、まとめた記事↓

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