珍しく発売日翌日に
CDアルバムを買ったので、
昔たまにやっていて好評だった
「音楽レビュー」を
久々にやってみます。
米津玄師本人が言っていたことも
書こうと思いますが、
基本的にはわたしが
「感じたこと」を書きます。
「あーそれ、自分も同じこと
思ってた!」とスッキリする方が
一人でもいらっしゃれば幸いです。
※なお、本文では敬省略して
「米津玄師」とフルネーム
呼びをいたします。
「米津さん」も変だし。
※発売日翌日(8月6日)に
買ったのにすぐレビューを
書かなかったのは、
たくさん聴く日数が欲しいと
思ったからです。
STRAY SHEEP 15曲全曲レビュー
01.カムパネルラ
今回アルバムを聴くに
当たり徹底したのは、
「とりあえず歌詞カードを
見ずに聴き続けること」
でした。
カムパネルラの音に関して
まず思ったのは、なぜか
「女性的」ということ。
そして音からも
のちに読んだ歌詞からも
「死や別れ」を
連想する、ということ。
カムパネルラって何だっけ、
と思って調べてみたら、
「イタリア語で小さな鐘」
と出てきたんだけど、
たぶん「銀河鉄道の夜」
(宮沢賢治)の登場人物・
カムパネルラじゃないのかなと。
(ご本人がどっかで公式に
言ってるかもしれませんが)
歌詞の「カムパネルラ」って
誰かに呼びかけている
ように感じるし、
単語というより
人名っぽいですよね。
わたしは「銀河鉄道の夜」は
未読なのですが、
あらすじをざっくりと読むと
カムパネルラは終盤で
行方不明になるので、
「死と別れ」のイメージは
合ってるような気がします。
しかし主人公ジョバンニも
カムパネルラも少年のようなので、
そうすると「女性的」が
しっくり来ない。
気のせいかな、と思ってMVを
さっき初めて見たんですが、
MVには汽車に乗った女性が
出てくるんですよね。
あと色々調べてたら
「カムパネルラは宮沢賢治の
死別した妹説」を見たので、
ああ、なんかやっぱり
「女性」「死と別れ」という
イメージは合ってるのかなー、
と思いました。
米津玄師自身が自分の一人称を
「わたし」とすることがあるので、
(※DIARYのこの記事とか)
歌の「わたし」は男で
カムパネルラは女ともとれるし、
まあそもそも性別は
どうでもいいのかも。
02.Flamingo
ソニーワイヤレスヘッドホンCM曲。
これはもう正直YouTubeで
Lemonより聴きました。
めちゃくちゃ好き。なにこの曲。
これはもう聴いててずっと
「花魁」のイメージでした。
(歌詞の言葉遣いもあるかもしれない)
しかし花魁の時代に
フラミンゴは日本にいないと思うので、
わたしの思い込みの可能性大。
花魁はさておき、
化かし合いの恋愛の歌って
印象を受けます。
一見女性がうわ手に見えるけど、
最後に
“毎度あり 次はもっと大事にして”
ってあるので、結局男性が上なのか?
(惚れた弱み?)と思ったり。
MVの影響かもしれませんが、
なぜかわたし
“毎度あり 次はもっと大事にして”
って死別の言葉と
思ってるんですよね。
(MVの女性、死んでる
っぽく見えるから)
“次はもっと大事にして”の
「次」は来世のこと? と。
いや、わたしの勝手なイメージです。
この曲の面白いところは
言葉遣いが純日本的なのに、
曲がまったくそうじゃない
(超打ち込み系)という所ですね。
そうかと思えば
“氷雨に打たれて…”から
急に演歌っぽい歌い方になるし。
この部分を聴くたびに毎回
北島三郎が頭に浮かぶので
本当にどうにかして欲しい
(わたしの頭を)。
実際は演歌ではなく、
沖縄民謡の影響だそうです。
(本人が言っていたはずだけど
何で知ったのか忘れた)
日本的な言葉遣いといえば、
「百鬼夜行」もそんな感じでしたね。
そういやあの曲も
めちゃくちゃハマったわ……。
自分の話になってすみませんが、
このMV死ぬほど見てて、
思わず描いた絵がこちら。
MVの赤いジャケットと
米津玄師の指の動きが
マジでええのや……。
03.感電
TBS系金曜ドラマ「MIU404」主題歌。
曲を流し聴きしてて
パッと浮かぶのは
海外のおしゃれなバー
……って思っていたのですが、
よく考えたら工事現場っぽい
音が入ってるので、
もうちょっと場末感がありますね。
場末だけど店内は管楽器
ミュージックがかかってる
ちょっと渋くてオシャレな店、
みたいなそんな感じ。
全体に焦げ茶色な。
あとMVみたいな遊園地の
イメージもしっくり来ますね。
ガチャガチャにぎやかな感じ。
実はわたしMIU404を全く見ていなくて、
先日KingGnu井口理が出るから
初めて見たんですけど、
歌詞がめっちゃドラマのイメージに
合うじゃん!!! と思いました。
Lemonもそうだったけど、
米津玄師にドラマのタイアップ
作らせたら最強ですよね……。
(というかMIUもアンナチュラルの
制作チームでやってたんでしたっけ、
そういえば)
“困っちゃったワンワンワン”は
警察の暗喩だろうし、
“兄弟よ”“よう相棒”って
あの二人を表現してるんだろうな。
どちらがどちらに
感電させられているのか、
あるいはお互いに相手の影響を受けて
二人とも感電しているのか、
え、ちょっと待ってなんかめっちゃ
いい曲じゃないこれ? 好き。
(自分の解釈で興奮してきた)
わたしは昔から「相棒モノ」の
反発しながら影響受け合う話が
すごい好きなので……
男女の相棒モノも好きだし、
男同士の相棒モノも好き……
(MIUは見てなかったけど……すみません)
“稲妻のように生きていたいだけ”
という歌詞はあるけど、
歌詞中に“感電”の文字は
ひとつも出て来ないところがいいですね。
あと
“お前はどうしたい? 返事はいらない”
の所が最高にかっっっこいいなあ〜〜〜!
返事いらねえのかよ〜〜〜〜〜〜!!
お前がどうしたくても
勝手にするってか〜〜〜〜〜〜!
あ〜〜〜〜好き。(取り乱しました)
04.PLACEBO + 野田洋次郎
RADWIMPSファンに
ガチボコにされそうですが、
実はわたしRADWIMPSは
全く通っておりませんで。
テレビで「君の名は」とか
「天気の子」とかの主題歌
聴いたことあるよレベル。
なのでコラボの話を聞いても
「へえ〜〜」くらいしか
思わなかったんですが、
曲を聴いて
「この二人、声の相性
めっちゃいいじゃない……」
と思いました。
先日たまたま見たZIPで
「よく二人でカラオケ行く」
「(野田洋次郎が)ハモってくれる」
「このハモリを楽曲でできたらと思った」
てな感じで出来た曲、
と本人たちが言ってたんですけど、
そういう繋がりがあったら
こういう自然な曲ができるよな〜
と思いました。
ところでわたしボカロP(※)って
みんなコミュ障なんじゃねえかと
勝手に思ってたんですけど、
米津玄師のコミュニケーション
能力高くないです?????
前作「BOOTLEG」も
そうだったけど、
めちゃくちゃ色んな人と
コラボしてるし。
※米津玄師は元々
ボーカロイドP(プロデューサー)
「ハチ」として楽曲を
作っていたのが始まりです。
オタクはみんな知ってると思うけど
知らない人のために念のため。
05. パプリカ
Foorin提供曲のセルフカバー。
全国の子どもが
ほぼこれ踊れるからビビる。
(わたしが現在住んでいる
島根の山奥ですら、子どもたちが
これ踊ってる。ビビる)
わたしはマジで最初に
米津玄師が子ども向けに
楽曲提供したって聞いた時、
「正気か!?」(依頼した人が)
と思っていました。
え、同じこと思った人、いません??
しかしめっちゃ売れましたね……。
米津玄師のすごい所は
「老若男女全年齢、
メジャー好きにもサブカル好きにも
それぞれに向けてウケる曲が
書けるところ」
だと思っています。
そうじゃないとアルバム
88万枚売れないでしょ……
(それも今朝のZIPで言ってた)
このCD売れないご時世に……。
曲の話をしましょう。
Foorinが歌ってる時の「パプリカ」は
「あら可愛くて元気な曲ね〜」
くらいしか思わなかったんですが、
米津玄師本人が歌うと
急に寂しさとかうす暗い感じが
ちょっと差し込まれるのは
何なんですかね。
あなたはそう思いませんでしたか。
どうですか。
「色々あるけど、
元気に生きていこうよ」
「時には明るくて
素敵なこともあるよ
(嫌なことあるのが前提)」
みたいな曲に聴こえました、
わたしには。
06. 馬と鹿
TBS系日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」主題歌。
MIUに続きノーサイド・ゲームも
見てないんですが(本当にすみません)、
いや〜いい曲ですよね。
冒頭で言った通り、今回は
「とにかく最初は
歌詞カードを見ない」を
徹底していたのですが、
歌詞カードを見ずしても
耳にはっきり飛び込んでくる
“これが愛じゃなければなんと呼ぶのか”
というメッセージ。
何なのこの表現。
かっこよすぎんか?????
かっこよすぎて意味わからん。
何???(錯乱)
“誰も悲しまぬように微笑むことが
上手くできなかった”
もカッコいい。
米津玄師本人ができなさそう、これ。
ドラマを見ていないのでわからんのですが、
この歌詞もやっぱりドラマのイメージに
ぴったりなんでしょうか。
教えて! ドラマ見てた人。
「ピースサイン」もそうなんですけど、
米津玄師は本当に
「まだ諦めるな系メッセージ」が
上手ですよね……。
もう少し行ける、まだ行けるぞ、
って感じがめっちゃ心に刺さる。
“くだらない願い”って表記されてるけど、
くだらなくてもいい、
そのまま進めばいい、
って言われているようで、
勇気をもらえる曲です。
ああ、よく考えたら
だからタイトルが
「馬と鹿」なのか〜。
わたしたちはもっと、
馬鹿になっても
いいのかもしれません。
07. 優しい人
タイアップ曲以外のアルバム曲は
コロナ禍になってから
音楽に没頭して一気に創った、
ってZIPで聞いたんですけども、
(情報源が大体ZIPですみません…)
そのせいか不安定な曲?
揺らいでるような曲? が
多いですよね。
だからこそ
「STRAY SHEEP(迷える羊)」
なのだろうけど。
ピアノとかヴィオラの
優しい旋律と
米津玄師の優しい歌声が
印象的な曲です。
悲しいような苦しいような、
でも優しくしたい、
みたいなそんな曲。
しかし歌詞を見ると、
歌の主人公は
「自分は優しくないし、
正しくないし、綺麗でもない」
と苦悶しているんですよね。
“ババ抜きであぶれて
取り残されるのが
私じゃなくてよかった”
って確かにひどい思いだし。
「いじめ」の話なのかな、
とも感じました。
積極的にいじめに
参加してはいないけど、
傍観者でいる感じ。
しかし「傍観者になってしまう」
弱さって多くの人が持っていると
思うんですよね。
わたし自身は傍観者になって
放っておくタイプの子どもでは
なかったのですが
(むしろ自分が無視されるタイプ)、
傍観者になるしかなかった人たちは
すごく心に刺さるのでは
ないでしょうか。
08. Lemon
TBS系金曜ドラマ「アンナチュラル」主題歌。
いやはや伝説の曲ですよね。
YouTube6億回再生おめでとうございます。
わたしこの曲に関しては
最初から「アンナチュラル」が
目当てでドラマを見ていて、
エンディング付近で米津玄師が
「夢な〜らば…」
って歌い出して、
「えっ、これ、米津玄師じゃない!?
すごい、こんなメジャードラマの
主題歌を担当できるまでになったの!?
やった〜〜!!!!!」
って当時めっちゃ喜んでたんですけど、
まさかこんなに売れると思いませんでした。
わたしはそもそも2014年に発売された
「YANKEE」に収録されている
「MAD HEAD LOVE」に
どハマりしたのがきっかけで
米津玄師が好きになったのですが、
「わたしは大好きだけど、
この人が世間に認知されるほど
売れたりはしないんだろうな」
と思ってたんですよ。
(星野源も「SUN」とか
「恋」が出るまで
そう思って聴いていた)
当時まだDJをしてたので、
クラブとかバーの片隅で
シコシコと
「MAD HEAD LOVE」や
「アイネクライネ」をかけて、
「いい曲だね〜誰?」
って言われてたのが懐かしい……
わたしがシコシコ布教なんかせんでも
米津玄師めっちゃ売れたじゃん……
という思い出の曲です、Lemonは。
これがYouTubeで公開された当時は
たぶん失恋かなんかしてて、
めっちゃ泣きながら何度も聴いてました。
でもこれ恋の終わりの
「別れ」の曲じゃなくて、
「死別」の曲なんですよね。
(“恋をしていた あなたに”
って歌詞はあるけれども)
制作中にお祖父さんが
亡くなったことも、
この曲に大きな影響を
与えているそうです。
わたしもおじいちゃん
おばあちゃんっ子なので、
(二人とも健在。90歳近い)
いつか死別するかと思ったら
ちょっと想像しただけで涙が出そう。
できるだけ長生きしてほしい。
いつか亡くなった時は
Lemon聴きながらまた泣こうと思います。
09. まちがいさがし
菅田将暉提供曲のセルフカバー。
「灰色と青」の時も思ったけど
この二人も相性いいですね。
この曲もヴィオラとか
ヴァイオリンとか入ってるから
「優しい人」同様、
すごく優しい曲に聴こえる。
でも「優しい人」のような
悲壮感というか、
一人ぼっちで苦しんでる感が
ないんですよね。
寂しさや悲しさはあるけど、
味方がちゃんといる感じ。
歌詞もそうですし。
“まちがいさがしの間違いの方に
生まれてきたような気でいたけど
まちがいさがしの正解の方じゃ
きっと出会えなかったと思う”
は米津玄師と菅田将暉の
出会いのことでもあるのかなー、
と思ったりもしました。
わたし自身、
“まちがいさがしの間違いの方”
に生まれたような気が
してるんですけど、
だからこそ出会えた人や
だからこそ過ごせた人生が
たくさんあるし、
それでよかったと思っています。
同じように
“まちがいさがしの間違いの方”
に生まれてきたような
気持ちでいる人も、
この曲を聴いて
そう思ってくれたらいいな。
10. ひまわり
アルバム初公開曲の中で
一番好きかもしれない曲。
YouTubeクロスフェードの
コメントでも言われてたけど、
タイトルが可愛いのに
曲がわりと激しい(笑)。
あの笛っぽい音が好きなんですけど、
楽器一覧に笛の名前はないので
機械音なのかしら……。
(それともギターか?)
曲が好きすぎて今初めて
歌詞を見たんですが、
「ひまわり」って
憧れの象徴なんですかね。
しかし“日陰に咲いたひまわり”
ってあるもんなあ。
日陰に咲いたひまわりが、
日向に咲いているひまわりを
羨ましく思っているのか?
それとも全く別の何かに
憧れているのか?
どちらにしろ、何か心の中に
強い憧れや理想があって、
たどり着けない不安や迷いを
振り払って走ろうと
しているイメージ。
個人的には
“消し飛べ 散弾銃をぶち抜け 明日へ”
って歌詞が好き。
銃が好きなんで。
11. 迷える羊
大塚製薬「カロリーメイト」CMソング。
本人出演CMですよね。
初めて見た時びっくりした。
サカナクション山口一郎が
カロリーメイトのCMに出てるのを
初めて見た時も
「うわあ!」って思ったけど、
その時くらい
「うわあ!」ってなりました。笑
Aメロがオペラ座の怪人(?)
ぽいというか、
なんかV系みたいな曲だな〜、
と感じました。
ムックにこういう曲
なかったかな? みたいな。笑
(わたしがムック好きだからだろうけど)
そうかと思うと急にサビが
近未来っぽい音になってすごい。
過去(現在)と未来を行き来してる感じ。
千年後の未来に自分たちは
生きていないけど、
でも自分たちが発したものは
何らかの形で残るかもしれない、
それを信じてる、というような
歌詞に感じました。
というのは米津玄師自身が
2019年8月のDIARYで
以下の話をしていたから。
初めて出会った衝撃的な体験も、書物を引けばたいてい既になんらかの名前が付いていたりして、不学なもんだから知らなかっただけ。自分らがいま住んでるところには街の名前がついていて、その中に連続してきた物語があって、その物語の登場人物として生きていくことからは逃れられない。(中略)
「手相」|米津玄師オフィシャルサイトDIARY
よちよち歩きでおろおろしながら生きる赤ちゃんみたいな自分らのために、物語の舞台があり、編集された脚本があり、既に退場した登場人物たちが残した祈りがあるのだとすれば、とっても贅沢だなと思う。
これはわたしも近いことを
感じることがあって、
(古い小説を読んだり、
心理学を学んだりしてる時に)
わたし達が今苦しんでいることは
大抵もう何十年も前、何百年も前の人が
何らかの形で解明したり
解決策を文章に残しているのに、
単に「現代人のわたし達」が
不学でそれを知らないだけ
だったりするんですよね。
ちょっと調べれば、
遥か過去に亡くなった人、
わたし達のことなんて
知りもしない人たちが、
わたし達を助ける
愛のメッセージを残している。
だとすれば、わたし達が今
発しているメッセージや
残していくものも
千年後の見知らぬ誰かに
愛を与えたり
手助けできたり
するのかもしれない。
歌詞の中に出て来る
“友達よいつの日も 愛してるよ きっと”
はそういうことなのかな、
と思いました。
12. Décolleté
オシャレな曲ですよね〜。
アコーディオンが超オシャレ。
椎名林檎もアコーディオンを
入れるようになってから
創作の雰囲気変わったよな〜
などと思ったり。
米津玄師って大体
アルバムで1曲、
ちょっとおちゃらけたというか、
でもオシャレな曲を
ブッ込んでくるな〜と
思っております。
しかしこれは今までのアルバムの
そういう曲と違って、
ちょっとエロい。
女性の吐息が入ってくるからかもしれません。
7年前の「diorama」の頃とか
米津玄師20代前半だったから、
こういうエロさはなかったですよね。
今だから創れる色っぽさなのかな。
ずっと進化し続けていく
感じがすごいなあ、と思います。
最近知った人を
のめり込ませる力はもちろん、
以前から聴いている人間を
飽きさせない力がすごい、というか。
だってわたし、
めちゃくちゃ売れる前から
知ってたアーティストが
こんなに売れちゃったら、
普通だんだん聴かなくなるもの。笑
Lemonでめちゃくちゃ売れた後、
「あ、もうわたしの
好きそうな曲は
創らなくなるかもしれない」
ってちょっと思ったんですよ。
そしたら「Flamingo」出てきて、
「ちょっとおおお〜〜〜〜〜
まだこんな売れなさそうな曲
作ってくれるの〜〜〜〜〜!!?
ありがとううう〜〜〜〜〜〜〜」
って感動したんですよね。
まあ実際はFlamingoも
1億回以上YouTube再生されるくらい
人気だけども。笑
13. TEENAGE RIOT
マンダム「ギャツビー」CM曲。
Flamingoの両A面シングルでしたよね。
実は発表当時
「Flamingo」が好きすぎて
「TEENAGE RIOT」の方は全然
聴いてなかったんですけど(笑)
しかしこれだけ作風の違うものを
創れるのはすごいなと思います。
だって17歳の高校生みたいな曲じゃない。
男子高校生の衝動。
Flamingoで花魁っぽい
雰囲気出しといて、
17歳の高校生みたいな曲
同時に出せる???
才能が溢れてて意味わからんすぎる。
アルバムの曲順もすごいなと思います。
「Décolleté」で大人の女性の
エロを漂わせといて、
その次でいきなりこんな
17歳の男子高校生みたいな曲…!
さっきの何だったの!?
まぼろし〜!(IKKO)
ってなるじゃないですか。
こういうのが
「老若男女全年齢に響く曲を創れる」
ってことなんだなあ、と思います。
14. 海の幽霊
映画「海獣の子供」主題歌。
すみません、映画は観てません…。
(今回そういうの多いな)
しかし「海獣の子供」の監督? が
米津玄師の好きな人だったんじゃ
なかったでしたっけ。
好きな人の作品の主題歌を創れるって
そんな幸せなことないですよねえ。
わたしはこの曲を最初に
YouTubeで聴いてしまったので、
もうずーっと
「海!」というイメージです。
サビのぐわーっとくる感じとか
「大波」とか「潮騒」って感じ。
で、そのあと
「波が引いて一気に静寂が訪れる海」
って感じの音になるんですよ。
すごくない?
この1曲で海を表現してるのすごくない??
しかも昼の海じゃないんですよね。
夜の海。
たぶんこの歌詞も映画の内容に
合ってるんだろうなあ、と思います。
“思いがけず光るのは 海の幽霊”
というフレーズがすごく好き。
これも寂しいけど優しい曲ですよね〜。
(どうでもいいけど、
ただ聴いてる時は普通だったのに
CD流しながら熱唱してたら急に
ブワ〜〜〜て涙が出てきた。怖い!)
15. カナリヤ
「STRAY SHEEP」という
1本の映画のエンディング
みたいな曲ですね。
最初ピアノのシンプルな曲調なのに
だんだん音が増えて
壮大になっていく感じがすごい。
クライマックス感ある。
でも激しくなり過ぎない。
エンディング感ある。
歌詞カード見なくても
“いいよ あなたとなら いいよ”
“いいよ あなただから いいよ”
というフレーズがめちゃくちゃ
耳に入ってくるのですが、
なんとなく「STRAY SHEEP」って
全体的に赦(ゆる)しを与える
曲が多いように感じました。
でも「別れ」「見送る」雰囲気の
歌詞が多い中、この曲は
「一緒に歩いていく」曲ですよね。
ふと「アイネクライネ」みたいな
曲だなあ、と思いました。
(※YANKEE収録曲)
アイネクライネに出てきた
カップルの未来の曲、というか…。
「アイネクライネ」の彼女は
自分のこと嫌いで、
自分が彼の隣にいるのも
「わたしでいいのかな?」
って感じなんだけど、
「カナリヤ」の彼女は
ちゃんと自分に自信を持てて、
背筋をまっすぐにして堂々と
彼と一緒に歩いている感じ。
それどころか
「いいよ」と彼をゆるす
立場になってるんですよね。
彼を、というか
彼も自分も赦せてる、というか。
ハア〜〜〜〜〜〜〜〜〜
彼にとってこんな彼女
(パートナー)になりたいけど
なれそうもねえ〜〜〜〜〜〜
って思いました。
アルバム全体で受けた印象
タイトル「STRAY SHEEP」は
コロナ禍で揺れ惑う世界の
様子からつけたそうですが、
米津玄師は決して
「迷える羊の先導者」
ではないな、と感じました。
むしろ
「自分も、迷える羊だよ」
と声をかけて、
一緒に歩こうとする感じ。
彼は、格好つけて
平気なフリなんかせず、
ちゃんと惑っていることを
正直に言ってくれる人なんじゃ
ないかと思います。
それでも彼を崇拝して、
彼が先導してくれるのを
待つ人もいるんだろうけどなあ。
人気者は大変だな……。
わたしは、自分自身もまた
迷える羊であることが
認識できたし、
迷える羊であっても
大丈夫、と勇気を
与えてもらったように
感じました。
さて米津玄師公式YouTubeに
曲があるやつは全部貼りましたが、
それ以外のアルバム収録曲を
聴きたい場合は、こちらの
「クロスフェード」でお楽しみください。
↓
わたしたまたま発売日前日くらいに
これに気づいて聴いてて、
発売日当日にZIPの
「STRAY SHEEP」特集を
じーっと見てたら、
その翌日パートナーが
「欲しそうにしてるから」
と言ってアルバムを
買ってくれたんです……。
え、やさしい……。
しかし行ったCDショップで
通常盤がすでに売り切れていて、
(発売日翌日ですよ?)
初回限定のDVD+アートブック付きを
買ったのでした。
パートナー、通常盤を買うつもりで
お金が足りなかったから、
わたしが半額出しました……。笑
アートブックが
見てみたかったので、
結果よかったですけどね。
米津玄師、1stの
「diorama」からずっと
アルバムジャケットとか
MVのイラストとかも
描いてたけど、
めちゃくちゃ絵うまくなってません?
(いや、上から目線のつもりはなく、
純粋に画力がめちゃ上がってる……)
昔からうまかったけど、
でもそれでも
「クラスに一人いる
絵が上手い人よりちょっと上」
くらいだったじゃないですか。
アートブックの絵、やばい。
イラスト1本で仕事して
活躍してる人のやつじゃん。
もう歌が売れてるから、
絵うまくならんでもいいじゃん!
絵本も出してるしな……。
悔しい。
天はマジ二物も三物も与えるからな〜〜〜。
わたしが米津玄師を好きなのは、
たぶん自分がやりたいことを
全部やってる人だからだと
思うんですよね。
わたしも歌いたかったし
映像にも出たかったし
絵うまいし歌詞の言葉遣いや
普通の文章もうまいし、
そもそも男になりたかった……。
もう性別の時点で羨ましい……。
そうなると普通は嫉妬に
狂いそうなもんだと思うんですけど、
なんかもうすごすぎて
「ファ〜〜〜〜〜〜〜〜」
って見上げるだけなんですよね。
「悔しい〜〜」ってなるのは
絵だけだな。
ということは多分、
わたしは絵の世界では
まだいける(今より上手くなれる)
と思っとるんでしょう。
人は「自分も叶う」と思う
世界のことしか嫉妬したり
悔しがったりしないそうです。
心理学的な話。
※わたしが買ったのはこれ。
店頭で買ったんで
クリアファイルはなかったけど……
↓
【Amazon.co.jp限定】STRAY SHEEP (アートブック盤(DVD)) (クリアファイル付)
* * *
さて、久しぶりに思いっきり
音楽の話をいたしました。
このブログでは以前
「蓮の花/サカナクション」
で記事を書きましたけど、
旧ブログでは
星野源「くせのうた」
について語りまくったり、
「くだらないの中に」
全曲レビューしたり、
マキシマム ザ ホルモン
「予襲復讐」レビューしたり
してたんですよね……。
音楽レビューすると
めちゃくちゃ熱くなっちゃうので、
ここ何年も封印してたんです。
しかし今回、
久しぶりに解禁して、
ものすっっごい楽しかった。
なっっっっっっがいけど。
ここまで読んでくださった方、
いらしたらありがとうございました。
これを書く前、以前紹介した
田中泰延さんの
「読みたいことを、書けばいい。」
を再読したんですけど、
なるべく
「書きたいこと」じゃなくて
「わたしが今、読みたいこと」
を書くようにしました。
わたしは非常に面白いですけど、
読む人にとって面白いかは
果たして謎です。
あなたにも面白かったらいいな。
ごきげんよう、さようなら。
【Amazon.co.jp限定】STRAY SHEEP (通常盤) (クリアファイル付)
実はイラストライターを名乗っています。
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