絵描き・イラストレーターは飯のタネを持っておいたほうがいい—明日で企画展終了

「飯のタネの絵は
持っておいた方がいいですよ」
は猫の額店主・キムラさんの
お言葉なのですが、
本当にそうだなと思ったので
記事にします。

好きなものや好きな絵を
描くのはもちろんいい。
それでも、飯のタネは
持っておいたほうがいい。

＊　＊　＊

「猫の額」とは、私が現在
企画展で参加している
猫雑貨＆猫ギャラリーのお店です。

(明日8月4日で企画展
「夏祭り猫祭り」が終了です！
この記事に貼っているイラスト、
売約済みなのでもう会場でしか
見られません！　ぜひ〜！)

2021年5月、仕事関係で
東京に行ったとき、
急に時間ができたので
急に猫の額さんへ
お邪魔したんですよ。

(「巴さんは島根の人なのに
いつも急に来ますね」
って言われました・笑)

そのとき店主のキムラさんと
こんなお話をしたんです。

キ「巴さんは最近、
どんな絵が描きたいんですか？」

私「最近は思いっきり
漫画っぽい絵というか、
6〜8頭身の人物画が
描きたいんですよ。
でも、求められたり売れたりするのは
ネコトバの絵柄なんですよね〜」

キ「ああ〜、描きたいものと
売れるものが違うのは
よくありますね。
でも、飯のタネの絵は
ひとつ持っておいたほうが
いいですよ」

すごくサラーッと言われたし
自分もすごくサラーッと
受け止めたんですけど、
実はものすごく心に
ドギュンッッ！！！！！
と刺さっていました。

「飯のタネの絵は
持っておいたほうがいい」！！！

私は、自分の描くネコの絵や
ちびキャラの絵が
「売れる」のは
わかっていたけど、

「売れるからという理由で
絵を描きたくない」人でした。

なんか動機が不純というか、
そんなことのために
絵を描いてはいけないと
思っていたのです。

私が一時期「ネコトバ。」を
描くのをやめていたのも、
【売れるとわかって
描いている自分が嫌】
だったのもあります。

元々はそんな気持ちで
描いていたんじゃないのに、
「描いとけば売れるから」
みたいな気持ちになって
いくのがすごく嫌でした。

だからいつもネコトバを描くときは、
「売れるから、ウケるから
描くのではない！！
今これが描きたくて
描くのだ！！」
と自分に強く言い聞かせて
描いていたのです。

でも「飯のタネの絵は
あったほうがいい」
と言われて、
その肩肘張った感じが
スーッとなくなった
気がしました。

＊　＊　＊

「絵描きは金がなくなると
やる気がなくなる」
というのが持論です。

具体的にいうと
「絵描きは金がなくなって
収入を得るために
アルバイト(仕事)に勤しむと、
段々アルバイト(仕事)が
メインになり、
仕事を頑張りすぎて
疲れ果ててしまい、
段々絵を描く時間がなくなり、
最終的にはやる気がなくなる」
なんですけど。

もちろん、「お金がない」ことで
ハングリー精神を掻き立てられ、
やる気が猛烈に出る人もいますよ。
しかしそれは
ひと握りの人じゃねーかなー、
と思っております。

なので絵描き(の卵)の理想は
「そこそこに仕事を頑張り
生きていくための収入を得て、
好きな絵を描き続ける」
なんですけど、

大抵の絵描きは
頑張り屋さんで優しいので、
ついついバイト先(会社)や
同僚のために、
身を粉にして
働いてしまうのです。
(私もそうでした)

で、疲れ果てて
自分の絵が描けなくなる。

絵って描かなくなると
どんどん描き方を忘れ、
画力が落ちていきます。

(落ちた画力はまた描き始めれば
いつでも復活するのですが、
休止時間が長ければ長いほど
画力を取り戻すのに
時間がかかる気がしますね)

だから「描きたい絵」と
「飯のタネになる絵」を両立し、
生活費を稼ぎながら
絵描きでいつづけるほうがいい、
ということなんですね。

＊　＊　＊

私の場合、今一番描きたいのは
「パパは暗殺者(アサシン)！」
という創作漫画なんですけど、
この漫画による収入は
正直ほぼありません。

(※400円で読み放題の
有料マガジンがあるので、
応援していただける方は
買ってください！笑)

つまりこの
「描きたい絵」だけを
描き続けていると、
無事死亡するわけです。

(いずれはこの「描きたい絵」も
収入になると考えていますが、
今はまだその時期じゃないので)

描きたい絵を描く
(生活費を別で稼ぐ)ために
就職したりアルバイトしたりすると、
先述した通りそっちの仕事が
メインになり、
「描きたい絵を描く」こと
そのものが無事死亡します。
(それを今まで何回もやりました)

だから
「生活費を稼ぐため」
「絵描きでいつづけるため」に、
飯のタネであるネコトバの絵が
必要なんですね。

しかし、私は
飯のタネだからって
描きたくもないネコトバを
無理に描いているわけじゃ
ありません。

説明するのが難しいですが、
「描きたい」もあったうえで
「仕事(飯のタネ)」と割り切って
制作している感じです。

雑に扱っている訳でもなく、
「ネコトバ(かわいい系)の絵」に
感謝もしています。

この絵柄があるおかげで、
私はちゃんと生活ができて、
描きたい漫画も描けるので。

……といくら説明しても
「商売でやってたのか！」
「お金のためにやってる
なんて汚い！」
「そんな気持ちで
描いてたんですね！
もうファンやめます」
という人は
絶対にいます。

もうそう思いたい人は
勝手にそう思ってください。笑

そもそも私は
「豊かになりたいなら
お金を稼ぐことを
悪いことだと
思ってはいけない」
「お金を稼ぐことを
汚いと思っていると
貧乏で苦しむ」
と考えている人なので……

(昔はそういう考え方じゃ
なかったですよ。
でもそうなったの)

「売れる絵」と
「今描きたい絵」が
最初から合致していれば
幸福ですけど、
そうじゃなくて苦しんでいる方は
今回のお話を参考にして
いただければ幸いです。

「自分は絵柄が一種類しかないんです！
しかもその絵柄は『売れない』ほうの
絵柄です！　どうしたらいいんですか！」
という方もひょっとしたら
いらっしゃるかもしれませんが、

そういう場合は絵以外で
「飯のタネ」を探されると
いいと思います。

【創作(絵描き)活動を
邪魔しない、飯のタネ】
ですね。

だいたい人は誰でも
才能をいくつか
持っているものなんで、
「絵を描く余力を
きちんと残しながら
収入が得られること」
があるはずなんですよね。
気づいていないだけで。

そもそも
「この絵柄は売れない！！」
と思っていること自体が
勘違いの場合もありますし。

絵描き、というか創作活動を
する人に一番必要なのは、
「これが正しい！」
「こうすべき！」
「絶対にこうだ！」
「こうじゃなくちゃダメ！」
という謎のコダワリや
思い込みを捨てること
かもしれません。

その先に「飯のタネ」が
転がっているような気もします。

ごきげんよう、さようなら。

企画展「夏祭り猫祭り」に関連する過去記事はこちら

→人生がつまらないなら、シールを貼ってみなさい—企画展終了間際！

→人を惹きつける作品にしたいなら、事実を差し込む—企画展出展中！

→小ネタで自分の作品を面白くしよう—「夏祭り猫祭り」本日開始

→運動神経も描画能力も「繰り返し練習したおかげ」—企画展出品告知

→どうして展示会に出すの？—猫の額企画展「夏祭り猫祭り」出展

企画展・詳細情報

2021年7月23日（金）～8月4日（水）
企画展「夏祭り猫祭り〜Cat summer festival〜」

会場／猫雑貨＆猫ギャラリー「猫の額」
〒166-0002 　杉並区高円寺北3-5-17

営業時間／12:00～20:00
木曜定休（祝日は営業）

猫の額公式サイト／
http://www6.speednet.ne.jp/~nekojarasi/

→過去の出展履歴・出品作品は
こちらの一覧でご確認ください。

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