今更だけど星野源の「サピエンス」最高すぎんか?

最近また星野源の
「POP VIRUS」を
聴き直してるんですけど、

わたしがこのアルバムで
ダントツに好きなのは
「サピエンス」なんですよ。

(社会現象を起こした
「恋」でも
朝ドラ主題歌の
「アイデア」でもなくて)

ということで今日は、
その1曲のことだけを語ります。

* * *

docomoのCMに使われてたので
サビだけはご存知の方も
多いかと思いますが……

これね。

※ちなみに上の動画は
株式会社MANTANが運営している
YouTubeチャンネル「maidigitv
のものです。一般の方が非公式に
上げているものではありません※

 ↑
この部分だけ聴くと、
めちゃくちゃ明るい曲でしょ?

しかしこの曲は何と言っても
前奏と間奏の根暗な電子音が
最高なんですよ。

わたしは20代の時に
Radioheadのせいで
根暗なエレクトロニカに
どハマりした人種なので、
もうこの暗い電子音が
性癖に刺さりすぎるんですね。
(Radioheadとは全然違うけど)

昔はギター1本で歌うような
歌ばっかり作ってたくせに、
いつからこんな電子音を……
星野源……おそろしい子!

Aメロの“ベースを連れる”
の後にスッと入ってくる
シンセサイザー・ベース(多分)も
最高じゃないですか?
テーレーレーレーレ、
ピーローリーローリ、からの
ヴィーーーーーン、
ヴィーーーーーガ、みたいなの。
文字で伝わる気がしない。

しかもこんなに暗いのに
とつぜん転調して
めちゃくちゃ明るくなるの
卑怯じゃないですか?
いや「アイデア」でも
異常な転調をやってるんだけど、
あれは朝から夜じゃないですか。

これはもう深夜の雰囲気から
突然昼間になる
感じなんですよね。
日の目を見ないオタク少年が
唐突に青春漫画の登場人物に
なる感じ。
普通そうはならんで! みたいな。

で、さらに卑怯なのが
その明るい曲調に乗せた

ああ 僕らは
いつまでも間違ったまま

って歌詞なんですよ。

全歌詞はこちらで見られます

わたし実は
「サピエンス」に関しては
ぜんぜん歌詞を見ずに
音だけ好きで
聴いていたんですけど、

この
“僕らはいつまでも間違ったまま”
の部分だけなぜか
耳に入っていたんです。

たぶん自分に対して
「間違ってしまった」
という感覚がずっとあって、
それでこの歌詞が気になったと
思うんですけど、

タイトルが「サピエンス」だから、
人類全体向けた言葉でもあるのかな、
と思いました。

どんどん文明が進化して
便利になっているはずなのに、
幸福度が一向に上がらない人類。

Bメロの

僕たちはいつも
見えてる天竺
目指しながら

も、なんか“人全体”に
言っているような感じが
するんですよね。

見えている栄光や名誉や
名声や富や憧れや
なんやかんやを
ひたすら追い求めて
もがいている人類。

そういうアレコレを
“天竺”って表現しちゃうのが
いいなあ、と思いました。

そんな中でもわたしが
一番好きなフレーズは、

ふざけた愛しみを味わったまま
やめない意味は
いつの日も寂しさだ

です。

一昨日、人生で初めての
ラジオ配信(ツイキャス)
やったんですけど、
その中で

「わたしが大して有名にも
なれないのに、
創作活動をやめずに
ずっと続けられるのは
世の中に自分の好み
ドンピシャのものがないから。
ないから自分で創ればいいと
思ってずっとやっている」

って話をしたんですね。

それが
“やめない意味は
いつの日も寂しさだ”
につながっている
気がしました。

だって
「自分の好みに
ドンピシャなものが
世の中にひとつもない」
ってめちゃくちゃ
寂しいじゃないですか。

いや、好きな漫画も
好きなアニメも
好きなイラストも
キャラクターもありますよ。

でもいつも「惜しい」んですよね。
楽しいし好きだし面白いけど
わたしの好みドンピシャじゃないのよ。
だから自分で創るしかない。

それめちゃくちゃ孤独な作業だな、
と思いました。

「自分だけが好きなもの」を
創るわけだから、当然
世の中では流行らないじゃ
ないですか。
ほとんど誰にも
振り向かれないのに、
ただ黙々と自分の好きなものを
創り続ける……。

星野源が言う
“やめない意味は
いつの日も寂しさだ”
は全然違う話だと
わかっているんですけど、
なんかこの部分聴いて
号泣してしまいました。
疲れてるのかな……。

わたしこのブログで
サカナクション「蓮の花」に
ついて書いた時

似たようなこと
言ってるんですよね。

創作をし続けるってのは
ある意味、孤独との
戦いみたいなもんで、
でも「孤独」がなくなったら
創作もしなくてよくなって
しまうので、
困ったもんですよね。

「創る人」側に
なってしまった以上、
しょうがないというか。

まあ、創作に限らず、
人間が色んなことを
やり続ける理由は
「寂しさ」だと
わたしも感じるので、
星野源は昔と相変わらず
すごいこと言うなあ、
言葉のチョイスが
すごいよなあ、
と思ったのでした。

「愛」を「愛(かな)しみ」って
書いてるのもいいです。
確か沖縄弁だと
「愛」は「かな」って
言うんですよね。
Coccoが
「愛(かな)よ 愛愛(かなかな)」
って言ってたし。

* * *

さっきうっかり
Amazonレビュー見たら
初期ファンがこのアルバムのこと
ボロッカスに言ってたんだけど(笑)、
わたしは今も好きですよ。

ちなみに星野源が全然有名じゃない時に
書いたブログ記事がありまして(10年前)、
これなぜか人気記事だったんですよね。
よかったらお読みください。
 ↓
星野源「くせのうた」

個人的には「くだらないの中に」が
一番好きなんですけどねえ。
 ↓
星野源「くだらないの中に」何故か全曲レビュー

「星野源といえば恋しか知らない」
という友人の前で、
カラオケで「くだらないの中に」
を歌って泣かせたことがあります。笑
源ちゃんこういう歌も書けるんやで!

「恋」がめちゃくちゃ売れたので
持っている人は沢山いると思いますが、
わたくしと趣味が近そうな方は
POP VIRUS収録曲「サピエンス」
ぜひ聴いてみてください。
MP3だと1曲だけでも買えますよ。
 ↓

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それでは本日はこの辺りで。
ごきげんよう、さようなら。