「堂本かおるさんに訊く—コロナ、BLM、そして大統領選挙」Zoom会に参加しました

「堂本かおるさんに訊く|コロナ、BLM、そして大統領選挙」Zoom会に参加しました

昨日(2020年9月27日)の
午前10時〜12時、
タイトルの会合に参加しました。

わたしが長年ぼんやりモヤモヤしていた
「差別はどうして起きるのか」
「アメリカとはどういう国なのか」
という疑問が、今回の会合で少し
晴れたような気がします。

* * *

この会合のメインゲスト・堂本かおるさんは、
ニューヨーク在住のフリーランスライターです。
わたしの知人・細田さんが
堂本さんと親交があり、
今回こういう会合を企画して、
わたしを招待してくださったのでした。

細田さんは、わたしが「めしや」
という飲食店を経営していた時の
常連さんであり、今も親交がある方です。
(わたしの英語サイトの翻訳も
してくださった方です)

堂本さんのことはそれほど深く
存じ上げませんでしたが、
「細田さんがやることなら面白いだろう」
と思い、今回の会合に興味を持ちました。

* * *

わたしはなぜか子どもの頃から、
「差別」がずっと
気にかかっていました。

社会の授業で部落差別について
学んだところから始まり、
外国人(主にアジア圏)差別、
障害者差別、性差別などの
話題を見るたびにいつも、
何かモヤモヤした気持ちを
抱えていました。

しかし誰かと深く意見交換したり、
「差別」について真剣に
学んだことはありません。

というよりも、誰と話せばいいのか、
どうやって学べばいいのかが
わからなかったのです。
心の中でずっとモヤモヤを
感じたまま生きてきました。

だから、今回の会合に
「参加したい」と思った一番の理由は
黒人差別から起きた「BLM(※)」が
テーマに入っているから、
だったのです。

(※BLM=Black Lives Matterの略)

といってもわたしの身近に
黒人差別をしている人も
されている人もいないので、
正直を言うと

「遠い国の出来事」

「何でそんなことが起きるのか
さっぱりわからない
(差別で殺す人の気持ちも、
デモを起こす人の気持ちも)」

という感じでした。

その程度の人間がこういう会合に出て、
何を感じたのかをまとめます。

今回のZoom会合は、以下の流れで
行われましたので、それぞれについて
語られたこと、そして感想を
書いていきますね。

1.コロナについて(主にN.Y.市での)
2.BLMについて
3.大統領選挙について

1.コロナについて

わたしは昔から、なぜか直感的に
「〇〇しなければ(したい)」
と思うことが非常に多く、
実は昨年くらいからずっと
「ニューヨークに行きたい」
という思いがありました。

こういう思いを持っているときは
大抵のちに行けるので、
ニューヨークに関しても
「いずれ行けるだろう」
と思っていたら
コロナによるパンデミックに。

ニューヨーク在住の知人はいるので、
「日本に比べてめちゃくちゃ大変」
な空気は知っていましたが、
今回の堂本さんのお話でより一層、
パンデミックが起きた当時の
ヒリヒリした空気を知ることができました。

コロナによる死者・感染者が爆発的に増えた
ニューヨークは「爆心地(Epicenter)」と呼ばれ、
最初は1日600人近く死亡者が出ており、
(感染者じゃなくて死亡者というのが驚き)
堂本さんの住むハーレム(地区)では
ほぼ24時間救急車の音がしていたそうです。

救急車の音が聞こえるたびに
「あの中に重症患者がいるんだ」
「それは私の知っている人かもしれない」
と重い気分になったとか……。

また、パンデミックが起きた当初は、
「スーパーマーケットで買った食材の
パッケージを消毒するように」
と言われていたそうです。

感染防止のためそう度々
スーパーマーケットには
行けないから、たくさん食材を
買い込むことになります。

それらひとつひとつを
消毒ワイパーで拭きながら、
堂本さんは
「こんなことで本当に効果があるのか」
「この食パンの袋のシワにウィルスがいたら?」
「この食材を調理して、家族が感染したら
どうしよう」と大きな不安を感じていました。

その話を聞いていると、日本は、というか
わたしが住んでいる島根県は
相当のほほんと暮らしていたなと思います。

わたしもコロナ感染が拡大した当初は
一時的に精神が不安定になりましたが、
それでも家の外で救急車のサイレンが
頻繁に聞こえることはなかったし、
買ってきたものの表面に
ウィルスがついているのではないかと
不安になったこともありませんでした。

“爆心地”のリアルを知り、
わたしはとても平和で心おだやかに
暮らせていたんだ、と知りました。
SNSでは「日本のコロナ対策はダメ」
と言っている人をよく見るけど、
わたし達にはそれほどの
恐怖はなかったじゃないか、と。

2.BLMについて

今回のBLMが起きたキッカケは、
白人警官が黒人男性を理不尽に
殺害したことだとは知っていました。

堂本さんが書かれた記事
「白人警官はなぜ黒人を殺害するのか 日本人が知らない差別の仕組み」
に詳細が書いてありますが、
これを読んでもなぜそんなことが
起きるのかまったく分かりません。

フロイド氏が何か暴れたり、
問題行動を起こしたのか?
だとしても、殺すほどのことなのか?
通行人達は止めようと叫んだだけで、
体を使って止めなかったのはなぜか?
止めに行った自分たちが殺されるかもしれないから?
なぜそんなことがまかり通っているのか?

今回のような抗議デモ、ムーブメントが
ずいぶん前にも起きたことは
うっすら知っていましたが、
その大元も今回初めて知りました。

トレイヴォン・マーティン(17歳の黒人少年)が
ジュースを買いに行った帰り、
自警団を名乗る男に「怪しいから」という
謎の理由で射殺された、と。
意味がわかりません。

黒人差別について声を上げた人も同じように
「何でそんな事をされなければいけないのか」
「なぜこんなことがまかり通るのか」
と怒りを感じたのかな、と思いました。

司会進行の細田さんが
「大坂なおみ選手のBLM発信について」
アメリカ国内では何か言われているのか、
と堂本さんに質問していました。

そもそも大坂なおみ選手の前に
レブロン・ジェームズ選手
(NBAの超破格スーパースター)が
黒人差別について意見した時も
侮蔑するような批判的意見があったそうです。

日本でもよく
「芸能人が政治に口出しをするな」とか
SNSで言われることがありますよね。

しかしアメリカの場合は、
「自分の主張をはっきり言う」のは
どんな職業の人にも許されていることで、
そういう日本的な意見はないそうです。

じゃあ何に対して侮蔑的であったり
嘲笑的な批判をするのかというと、
「影響力の高い人が、
自分と反対意見を上げると多くの人が
それに影響されてしまうこと」
だそうで。

まあ……日本人もフタを開ければ、
実は「自分と反対意見だから怒ってる」
だけで、そのことをなんか
見た目よく飾って正論を振りかざした
気になっているだけだと
思うんですけどね……。

3.大統領選挙について

忘れもしませんが、わたしは
バラク・オバマが大統領就任した時、
アメリカのことなんてよく知りもしないのに
感動したんです。

「えっ、アメリカって黒人差別が
すごいんでしょ!?
オバマ大統領を選ぶなんてすごくない!?」
と。母親にも興奮して
そう言ったような記憶があります。

アメリカってやっぱりすごいんだな、
日本と違ってどんどん進歩しているんだな、
と戦後の子どものように思った気がします。
2009年なので、わたしが
26歳くらいの時ですね。

で、トランプ大統領が就任して、
色んなニュースで彼を見るたびに落胆しました。
「何で?」
「何で人種差別丸出しのこの人を、
オバマ大統領の後に選ぶの??」
アメリカ意味わからん、と思いました。

その謎が今日の堂本さんの話で解明しました。

曰く、バラク・オバマが大統領になる前は
ブッシュが8年間大統領を務め、
終盤はだいぶん無茶をやらかした。

「ブッシュじゃなければ誰でもいい」という
風潮があったことも影響し、オバマが当選。

共和党(保守派)の人々は、黒人に大統領に
なられたことがめちゃくちゃ気にくわない。
しかも彼らの意に反して、8年もやってしまった。

「その怒りがトランプを当選させたのではないか」
ということです。

なんか……自民党がいつまでたっても
結果を出さないことに腹を立て、
一瞬だけ民主政権を選んで、
すぐ自民政権に戻った日本と
ちょっとだけ重なりました……。

話が長くなるので
ここでは細かく書きませんが、
最高裁判事の指名についても
「何でそんな堂々と黒人差別が起きるの?」
「何でそんな保守派にだけ都合がいいように
物事を進めようとして、
しかもそれがまかり通るの???」
と思いました。

ハア〜、でも、もしかしたら日本でも
そういうことが起きているのかもしれない。
わたしが政治について
深く調べたりしないから、
大して知らないだけで。

最後に

わたしは今よりもっと若い頃、
「自分が正しい」と思っては
相手に正しさの押し付けをして、
争ったり苦しんだりしてきました。

そこから抜け出た今のわたしは
「他人を変えることはできない」
「相手を変えようと努力するのは無駄」
「どっちの意見もあっていい」
「合わなければ離れればいい」
という思想スタイルで生きています。

だからやっぱり今回の話を聞いても、
「白人が優れていると
思い込んでいる人の思想を
変えることはできないだろう」
と思っています。

が、何でそこで、
命のやり取りが行われるのか。
自分たちが優れているから、
劣っている人間は殺していいのか。
いいわけねーだろアホが。
とも思っております。

実はわたしの祖父は、
わりと平気で中国の方に関して
差別的な発言をします。

「わたしの好きなおじいちゃん」が
「平気で差別をする」ことは
とても悲しいです。

でも、そういう歴史の中で
生きてきた人だから、
「祖父の思想を変える」ことは
無理だ・無駄だと思っています。

「お茶の間でごちゃごちゃ
言ってるだけだし、
相手を殺す訳じゃないし
別に無理に変える必要も
ないだろう」と思ったのもあります。

「わたしの出会った中国の人は、
真面目で働き者だった。
おじいちゃんは中国の人と
直接会って話したことがあるのか。
直接会ったこともないのに
差別をするのはどうかと思う」
という話はしたんですけどね。

わたしの祖父の「差別」は、
ただ単に「自分がよく知らない、
訳のわからないものに対する恐怖」
だと思います。
だから見下すことで、
自分の方が強いのだと思いたい。

そういえば今回の会合の中で、
「アメリカでは日常の
ちょっとした事ですぐ
『Loser(負け犬)』という言い回しを使う。
『Winner/Loser』の意識が強い。
そしてその意識が最も強いのが
トランプ大統領だ」
という話が出ました。

もしかしたら黒人差別も、
“恐怖”から起きているのかもしれません。
自分の原体験にない、
訳のわからない文化・思想への恐怖。
そしてそれらに取り込まれ、
負けて(Loserになって)しまう恐怖。

そこから逃げるために、
相手を侮蔑する。
“自分の方が優れているのだ”
“お前になど、お前らになど
負ける訳ない”と。

もちろん、祖先や家族から脈々と
受け継がれてしまった
「差別意識」もあるのでしょうけど、
そういう心の弱さも
関係しているんじゃないか、
と感じました。

……なんかちょっと心理学的な
物の見方になってしまいましたね。

ともあれ、今回の会合で得た
わたしの所感はこんな感じです。
思いのほか長文になってしまいました。
お付き合いくださった方、
ありがとうございました。

そして堂本さん、細田さん、
貴重な機会をありがとうございました。
長年のモヤモヤの一部が、
少し晴れたような気がします。

この記事を読んでいる誰かにも、
何か思うところがあれば嬉しいです。
ごきげんよう、さようなら。

今回の会合に参加するにあたって読んだ堂本さんの記事

白人警官はなぜ黒人を殺害するのか 日本人が知らない差別の仕組み | 文春オンライン

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コロナが落ち着いたら、わたしも
ハーレムツアーに行ってみたい……。

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