「そんなこと言ってない」のに勝手に思い込んじゃう病気

境界性パーソナリティ障害関係の
ご相談を受けていると、
「そんなこと言ってないのに、
『もう嫌いなんでしょ』と言われる」
「『もう愛してないんだ』と
怒られてしまう」という
話をよく聞きます。

なぜそうなるかって、
自分が一番自分を
嫌いだからですよね。

* * *

この記事を書いているわたしは
24年間境界性パーソナリティ障害
“だった”人なのですが、
(現在は克服しました)

確かに自分も
「そう言われていないのに
勝手にそう思う人」

だったなと思います。

これは境界性パーソナリティ
障害に限らず、

・他人の気持ちを気遣いすぎる人
・自分に自信が持てない人
・愛されたい気持ちが強い人
・過去にひどく心が傷ついた人


…などなど、
それ以外の精神疾患だったり、
心の病気じゃない人でも
なりやすい状態だと
思うんですよね。

まず他人の気持ちを
気遣いすぎる人は、
「相手の気持ちを想像しよう」
と思いすぎるあまりに、
「相手はきっとこう思っている」
と決めつけてしまう傾向があります。

本人に「実際はどうなのか」を
確認せず、自分の思い込みで
突っ走ってしまうのです。

自信が持てない人、
愛されたい気持ちが強い人、
過去にひどく心が傷ついた人は

“本当に相手が
自分を嫌いになったら怖い”
“嫌われて(また)
傷つくのが怖い”

ので、先に「予行演習」を
するのです。

「どうせわたしの
ことなんて嫌いでしょ」
「もう愛してないんでしょ」

という言葉が出てくるのは、
頭の中で
「嫌われた時の想像
(シミュレーション)」
をしているからです。

心の中で予行演習をして、
本番に備える感じですね。

多くの人は
「どうせ否定して欲しくて
言ってると思うんですよ」
と言うんですけど、
(まあその場合もあるとは
思うんですけど)

どっちかというと
「いずれ必ず嫌われるので、
その時のでかいダメージを
軽減するために、
シミュレーションしておく」

が強い気がします。

* * *

「あなたは私をいずれ
愛さなくなるに違いない」
と決めつけるのも、

「いつか嫌われる時のために」
予行演習をするのも、

そもそも自分で自分のことが
大嫌いだからです。

自分はすごくダメな奴で、
愛される価値もなくて、
もし私が「他人」だったら
自分の頭をかち割って殺したい、
くらいに嫌い。

っていうのはかつてのわたしの
気持ちですけど(笑)、
まあ「かち割って殺す」
まではいかなくても、

「そう言っていないのに
そう思い込んでしまう人」
のほとんどが、
自分のことを「嫌い」
なんじゃないでしょうか。

だから人の何気ない言葉を

「私のやっていることを
否定している」
「私が全部悪いと
思っているんだ」
「私がダメってことでしょ」
「私のこと嫌いなんだ」
「もう愛してないんだ」


と受け取ってしまうのです。

「世界は自分の
見たいようにしか見えない」
とはよくいったもので、

「私が嫌いな私」
が生きているこの世界は、


「みんなに私は嫌われる」
「最初は騙されてくれるが、
いずれ私を嫌いになる」
世界なのです。


なーんて話をすると
「私の受け取り方が
悪いってこと!?」
「全部私のせいなの!?」
ってなるかと思うのですが、

周囲の人も無意識に
ダメ出ししていたり、
実際に疲れ果てて
気持ちが冷めて
しまっている
こともあるので、

「全て私のせい
ではない」ですよ。

わたしは何かトラブルが
起きる時は、
「双方に問題がある」
と考えているカウンセラーです。

ただ、周囲の人の言葉が
やたら否定的に聞こえたり、
「どうせ私がダメなんだ」
「どうせ自分は嫌われる」
という思いで頭が
いっぱいになる時は、

「そもそも自分が、
自分のこと大嫌いじゃない?」


と振り返ってみてください。

「みんなが私を嫌う」のではなく、
「私が一番私を嫌っている」
んじゃないかって。

それに気づくのが、
まずスタート地点ですよね。

ごきげんよう、さようなら。

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